Z 電源回路の解析と設計
1.電源の機能
2.使用部品の動作
電源トランス、ダイオード、ヒューズ、パイロットランプ、SW
3.電源の回路構成
4.B電源回路の動作(変圧・整流・平滑・給電・ブリード)
5.B電源回路の設計手順
6.C電源回路の動作
7.C電源回路の設計手順
8.A電源回路の動作
9.電源の応用回路(倍電圧整流)
10.300B A級シングル CR結合 8.2W AMP の電源回路の設計
第6章 電源回路の解析と設計
はじめに
・増幅部の動作に必要な電力を供給するためのものである。
・安定な電力供給は増幅部がしっかりとした動作を行なうための前提である。
6.1 電源回路の構成
(1)B電源回路
@整流回路
センタータップ整流
ブリッジ整流
A平滑回路
コンデンサーインプット
チョークインプット
B分圧・給電回路
直列給電
左右共通
左右分離
並列給電
Cが多くなり過ぎるという欠点があるがクロストークは皆無となる。
(2)A電源回路
@傍熱管のハムバランサー
A直熱管のハムバランサー
(3)C電源回路
@半波整流回路
A平滑回路
コンデンサーインプット
Π型CR平滑回路
Bバイアス電圧調整回路
(4)一次電源回路
6.2 B電源回路
(1)CT整流・CI平滑B電源回路の解析
・まず最も一般的な電源回路について解析する。
@回路構成
・センタータップ付きのPWTを使用する。
A回路の負荷
負荷としての増幅回路
増幅回路の等価直流負荷抵抗
BCT整流回路の動作
PWTの巻線構成
ダイオード(DD)
直流電圧
リップル電圧
ダイオードにかかる最大電圧
CCI平滑回路の動作
チョークコイル(Chk)
三角波近似した回路動作
C1にかかる最大電圧
DLC平滑回路の動作
直流電圧
リップル電圧
C2にかかる最大電圧
EPWTに必要な二次電圧
・上記の解析結果を逆算する。
F分圧給電回路
ブリード抵抗のその他の用途
直列分圧給電回路
C3、C4にかかる最大電圧
増幅回路の負荷としての電源回路
GB電源の部品の内部抵抗
DDの順方向抵抗
CHKの直流巻線抵抗
PWTの内部抵抗と電圧変動特性
H部品の内部抵抗による直流電圧の低下
・ここが電源設計の最も厄介なところである。
・PWTの内部抵抗は一般的にカタログには記載されていないのでメーカーに問い合せるか購入して測定するしかない。
大きく見積もり過ぎると製作時に電圧が高くなり過ぎて電圧調整用抵抗の発熱が大きくなり過ぎる。
小さく見積もり過ぎると製作時に電圧不足となってしまい増幅部の動作条件を見直さなければならなくなる。
B電源の設計が難しい理由
モデル化
逆算
PWTに必要な二次電圧の見直し
電圧変動率
・最大出力電圧も電圧変動率に比例して低下するとみなすと有効な指標となる。
ISPに現れるリップル電圧
・リップル含有率はアンプの場合は有効ではない。
OPTに現れるリップル電圧が重要である。
電源の許容リップル電圧
Jクロストーク
直列分圧給電回路
並列分圧給電回路
2モノラルコンストラクション
その他のクロストーク増加の要因
(2)CT整流・CI平滑B電源回路の設計
・300B A級S 8.2W AMPのB電源回路のを例にとる。
@回路負荷の確定
300B As 出力回路
無信号時
最大出力時
5687ドライブ回路
6DJ8初段電圧増幅回路
ブリード回路
A等価直流負荷抵抗の計算
最大電圧EB
無信号時の負荷電流(左右2cH)
最大出力時の負荷電流(左右2cH)
BチョークコイルCHKの選択
最大許容直流
インダクタンスL
CPWTに必要な二次電圧Eacの計算
PWTの内部抵抗の想定
D市販のPWTの選択
・必要なEacよりもある程度高いPWTを選択する。
・ぎりぎりだと設計誤差や設計の調整や部品の誤差などで必要な直流電圧が得られない恐れもある。
・あまり高いと直流電圧調整抵抗ΔRを大きくしなければならず発熱で苦労することになる。
E直流電圧調整抵抗ΔRの挿入
ΔEacの計算
電流経路へ挿入する高電圧を吸収するための吸収抵抗ΔRの計算
F電圧変動率と最大出力の評価
GSPに現れるリップル電圧の設計
Hクロストークの計算
I分圧給電回路の設計
出力回路への給電
ドライブ回路への給電
電圧増幅回路への給電
ブリード抵抗値の計算
無信号時の発熱量
電源投入直後の発熱量
J部品の規格の計算
ダイオードにかかる最大電圧
逆耐圧
電流容量
市販品
コンデンサーの耐圧の計算
C1にかかる最大電圧
C2にかかる最大電圧
C3にかかる最大電圧
C4にかかる最大電圧
抵抗の発熱量の計算
6.3 A電源回路
(1)A電源の基礎知識
@A電源用端子
ヒーター電圧
300B、2A3、211
KT88、6L6GC
6DJ8、5687、12AX7、12AT7、12AU7
ヒーター電流の規格
双三極管のヒーター電極
AA電源の負荷
Bヒーター電圧の調整
二次端子間の接続よる電圧調整
電圧調整時の注意事項
0V表示基準
C直熱管のハムバランサー
自己バイアスと固定バイアス
ハムバランサーの原理
ホイートストンブリッジの原理
ハムバランス用VRの値
ヒーター端子の共用
D傍熱管のハムバランサー
Eヒーターバイアス
(2)A電源の設計
・300B A級S 8.2W AMPのA電源を事例にする。
@A電源の負荷
300Bのヒーター電圧と電流
5687のヒーター電圧と電流
6DJ8のヒーター電圧と電流
6.4 一次電源回路
(1)アンプの消費電力とヒューズの電流容量
@PWTの二次側の消費電力
A一次側の消費電力と二次側の消費電力の関係
B電源トランスの一次電力と二次電力の換算
(2)PWTの一次の90V端子による二次電圧の調整
(3)パイロットランプ
(4)A級S 8.2W AMPのヒューズ容量
@消費電力
Aヒューズの電流容量
6.5 C電源回路
(1)C電源回路の解析
@回路構成
A回路の負荷
負荷はバイアス電圧調整回路である
B半波整流回路の動作
ダイオード(DD)
直流電圧
リップル電圧
ダイオードにかかる最大電圧
CCI平滑回路の動作
チョークコイル(Chk)
三角波近似した回路動作
C1にかかる最大電圧
DRC平滑回路の動作
直流電圧
リップル電圧
C2にかかる最大電圧
EPWTに必要な二次電圧
・解析結果の逆算である。
直流電圧と電圧変動率
Fバイアス電圧調整回路
GSPに現れるリップル電圧
HC電源用巻線
(2)C電源回路の設計
・300B AB級PP 31W AMPのC電源回路を例にとる。
@バイアス電圧の確定
A回路負荷の確定
BC電源タップに必要な電圧
Cバイアス電圧調整回路
VR調整範囲の設定
DSPに現れるリップル電圧の設計
E部品の規格の計算
ダイオードにかかる最大電圧
逆耐圧
電流容量
市販品
コンデンサーの耐圧の計算
C1にかかる最大電圧
C2にかかる最大電圧
C3にかかる最大電圧
C4にかかる最大電圧
抵抗の発熱量の計算
6.6 電源の応用回路
(1)BRG整流・CI平滑B電源回路
・負荷は増幅部であり整流方式によって変化しないのでCT整流と同様である。
@回路構成
BRG整流回路
CI平滑回路
LC平滑回路
ABRG整流回路の動作
ダイオードにかかる最大電圧
直流電圧とリップル電圧
コンデンサーの耐圧
C1にかかる最大電圧
C2にかかる最大電圧
(2)CT整流・LI平滑B電源回路
・負荷は増幅部であり整流方式や平滑方式によって変化しないのでCT整流と同様である。
@回路構成
CT整流回路
初段LC平滑回路
二段LC平滑回路
A初段LC平滑回路の動作
直流電圧
リップル電圧
C1にかかる最大電圧
B二段LC平滑回路の動作
直流電圧
リップル電圧
C2にかかる最大電圧
C部品の内部抵抗による直流電圧の低下
PWTに必要な二次電圧
電圧変動率
DSPに現れるリップル電圧
電源の許容リップル電圧
ECIとLIの比較
得られる直流電圧と直流電流
(3)BRG整流・LI平滑B電源回路
・負荷は増幅部であり整流方式や平滑方式によって変化しないのでCT整流と同様である。
@回路構成
BRG整流回路
初段LC平滑回路
二段LC平滑回路
A直流電圧とリップル電圧
ダイオードにかかる最大電圧
コンデンサーの耐圧
C1にかかる最大電圧
C2にかかる最大電圧
(4)両波倍電圧整流B電源回路
・負荷は増幅部であり整流方式や平滑方式によって変化しないのでCT整流と同様である。
@回路構成
両波倍電圧整流回路
LC平滑回路
A両波整流とC1・C2平滑回路の動作
ダイオードにかかる最大電圧
コンデンサーの耐圧
C1にかかる最大電圧
C2にかかる最大電圧
B三角波近似した回路動作
CLC平滑回路の動作
直流電圧
リップル電圧
C3にかかる最大電圧
D部品の内部抵抗による直流電圧の低下
PWTに必要な二次電圧の計算
電圧変動率の計算
ESPに現れるリップル電圧
電源の許容リップル電圧
(5)半波倍電圧整流C電源回路
・負荷はバイアス電圧調整回路であり半波整流回路と同様である。
@回路構成
半波倍電圧整流回路
RC平滑回路
分圧平滑回路
A半波整流とC1・C2平滑回路の動作
三角波近似した回路動作
BRC平滑回路の動作
直流電圧
リップル電圧
C3にかかる最大電圧
CPWTに必要な二次電圧
直流電圧と電圧変動率
DSPに現れるリップル電圧